トレーニングメソッド

アウラのレッスンについて詳しくご説明

アウラでは様々なレッスンを行っていますが、お伝えしているのは私、西田オサアキのみです。
私の基本的な考え方や人となりについては「レッスンについて」や「西田オサアキ」で触れております。
それらのご案内だけでレッスンをお受けいただくには十分な情報です。
あまりはじめから文字を読んでいただくよりは、実際にレッスンで体験していただくほうが何倍も早いとは思いますが、ここではアウラの手しごととして、より詳しいレッスンの取り組み方やメソッドについてお伝えしております。
ご興味があり、もっと深く知りたいという方やプロの方には有意義なコンテントかもしれません。

手しごとの中心、双方向のコミュニケーション

そのため強制的な訓練は一切行いません。
強制的なというのは力づくでというだけではありません。
たとえば、餌をぶらさげて、それでのみ動かしていく方法も餌による強制的なトレーニングになる場合があります。
私もトリーツは使いますが、使い方を間違ってしまうと「力」の置き換えにしかなりません。すなわち強制的に、一方的に動かしているだけになります。
大切なのは双方向のコミュニケーションであり、弱者である犬をいたわり、理解し、伝えることです。
そこをベースにして行動学や生態学にかかわる手法を取り入れていきます。そしてそこから感情面にまで深く掘り下げていくことでどこにもないメソッド、エモーショナルトレーニングは成り立っています。

エモーショナルトレーニングとは

エモーショナルトレーニングは3つの要素で構成されています。

1.行動学・生態学・応用心理学・応用動物学に関わるトレーニング要素
2.訓練学習ではなく、犬自身が考え理解し行動していくための伝え方としてコーチング、ティーチング要素
3.精神面、社会面でセルフコントロールするマネジメント(管理)要素

一般的なトレーニングやしつけという概念とは別に2つの要素が組み合わされているところがエモーショナルトレーニングのユニークなところです。
この3つの要素は人間のスポーツでは常識的な考え方です。日本ではまだまだ根性、スパルタ、努力すればできるといった考え方が見受けられますが、スポーツ先進国ではひろく伝えられていることです。
私はそうした考え方をドッグトレーニングに取り入れたわけで、特段新しい考え方ではありません。
とはいえ、人と犬は異なる価値観や感情がありますので、人のスポーツと同じようにはできません。
そうした差異を、これまでの経験と独自のイマジネーションと自分の犬とのトライアンドエラーによってクリアにしています。
エモーショナルトレーニングは、未完成な部分や、私自身が知らないことはまだまだたくさんありますので、絶対にこれがいいとは言いません。また合う方とそうでない方もいらっしゃると思います。
とくに日本では強制訓練やおやつづけのほうがはやく結果を出せるということもあり好まれる傾向があります。
おすわりやふせ、まて、おいでなどの命令や、一発芸的なトリックができれば良い犬であるような風潮も否めません。
それらはたしかに人と犬の関わりの一つとして認めるべきことだと思います。
でもよく考えて見てください。
私たちは犬に命令をするために一緒に暮らしているのでしょうか?
想像して見てください。
将来、もし私たちが宇宙旅行をすることとなり、人間より知能も力も高い異星人と暮らすようになったとして、その異星人が私たちに彼らのやり方で強制的に伝えようとして来たら・・・・
でも私たちはそこから逃れることはできないのです。なぜなら彼らの方が圧倒的に優っているからです。きっとしかたなくそれに従うでしょう。中にはそこに安住をもとめ喜んで受け入れる人間もいるでしょう。たまには反発する人間もいるでしょう。そして罰をあたえられながら最終的には従うのです。
それは私たち人間にとって幸せなことでしょうか?
と同様のことを私たちは犬にして良いのでしょうか?

3つの要素について

エモーショナルトレーニングの3つの要素についてすこし触れて見ましょう。
たくさん書きすぎてもかえって混乱を招きますし、私自身もそれを完全に言葉で説明することは難しいのです。
参考までにお読みください。

トレーニング要素

私はトレーニングの理論に精通しています。
しかしそれを言葉に発することは極めて少ないのです。
なぜなら学習強化の原理というのは一般的な概念であり、受け手によっても結果は大きくことなるし、同じようにできる可能性のほうが低いからなのです。
そのため、基本的な理論から少し遠いところからスタートしたり、段階的なカリキュラムによってお伝えする事があります。
例えば、「うちの犬が吠えてうるさいので改善してほしい」
というリクエストがあった場合、その改善方法はいくらでもあります。
しかしながら、私は一番遠いところから質問を始めます。

あるいは、「私の犬は、吠え以外は何の問題もありません」
とお聞きした時にこそ、改善すべきところは吠えではない事をお伝えします。

私はこのメソッドをよく虫歯で例えます。
「あなたの1本の歯が虫歯になって痛くて歯医者に行くとしましょう。」
あなたにとってはその1本の虫歯が緊急かつ最大の問題です。
とにかくあなたはその虫歯を何とかして痛みから解放されたいのです。
ある歯医者はその虫歯をすぐに抜いてあなたを痛みから解放してくれるでしょう。
しかし別の歯医者は、すぐに抜かないであなたに聞くでしょう。
そして、なぜ虫歯になったのかをお互いに共有する事から始めるでしょう。
結果的にはその歯医者も虫歯を抜いてしまうかもしれません。
そうです、見た目は大差ありません。
でも、なぜ虫歯になったかを知ったあなたと知らないあなたでは、その後が大きく変わります。
知らないあなたは、1年後にまた歯医者に行って新たな虫歯を治療することになるのです。一方のあなたは、ストレスを発散して唾液の分泌を高めるなど口内環境に注意を払い、歯磨きの仕方を改めたりして、1年後に歯医者に行くと、先生から虫歯はありませんね。とほめられるのです。
すぐに抜いてくれる歯医者からすればあなたは良いお客様です。だって毎年高い治療費を落としてくれるのですから。あなたに虫歯とは直接関係なさそうな遠いところから始めた歯医者は手間も時間もかかるからその時は儲からないかもしれません。でもきっとあなたはお友達を紹介するでしょう。その歯医者はそれで潤うのです。
虫歯は悪者ではなく、あなたを良くしてくれるきっかけなのです。同様に、その吠え、その引っ張りはあなたと犬の関係を良くしてくれるヒントなのです。
アウラはそんな考え方をトレーニングの基礎としています。

笑顔の元は何か?

コーチング・ティーチング要素

一般的な学習手段であるティーチングは十分価値がありますがそれだけでは万能ではありません。
全てをティーチングによって学習したり行動を強化することには無理があります。
一方でコーチングは主体性を引き出す育成手法として注目、導入されていますが、やはりそれだけでは対応しきれないこともあります。
また、場合によっては自己判断に委ねた学習もあって良いと私は考えています。
とくに人から人と人から犬、犬から犬への伝達や学習においては複合した考え方は有用です。

ではティーチングとは、コーチングとは何かをまず簡単に説明します。
ティーチング
学校教育から始まり、組織における人材育成、あるいは生涯教育など、「教育=ティーチング」といってもよいほど一般的に使われている、私たちにとってもなじみのある手法です。
簡単に言えば、知っている人が知らない人に教える、できる人ができない人に教える教育手段です。
つまり、よくある先生と生徒の関係であり、一方通行の伝達となります。

コーチング
基本的にティーチングのような「教える」ことはしません。
その代わりに、「問いかけて聞く」「やって見せる」という対話を通して、生徒さんや犬から様々な考え方や行動の選択肢を引き出します。
そのやりとりに双方向の伝達がうまれます。
結果として相手がアイディアや選択肢に自ら気づき、自発的な行動を起こすことがあるので、強い感情の記憶もうまれてきます。
ティーチングもコーチングも、ともにメリットとデメリットがありますが、私の場合はそれを犬や人のスキルと学ぶべき内容の難易度によって使い分けてお伝えしています。
さらには、アウラにはティーチングドッグといえる犬がたくさんいますので、犬としてのふるまいや人との接し方を若い犬や学びの少なかった犬に対してティーチングします。
同様に長く通われている生徒さんたちはそこらのトレーナーよりはるかにスキルの高い普通の飼い主さんです。グループレッスンなどでは彼女達がやってみせることでコーチングとしての効果を発揮します。
必ずしも私だけがお伝えしていることでもないのです。

ティーチングとコーチングは状況に応じて使い分けられます。
たとえば、散歩のレッスンでは私がまず散歩についてのレクチャーをします。それから私がリードを持って散歩をします。散歩しながら状況に応じた解説をしていきます。当然、犬はとても良くできます。その良くできる理由と手段を伝えるのです。この散歩のレッスンの前にはすでにレッスン場で基礎レッスンを済ませていますから理解しやすい状態にあります。むしろ今までのレッスンでやってきたことがこの散歩で合点するわけです。「あぁ、なるほど、だからあのレッスンはあったのか・・・」
そして、次の散歩レッスンでは生徒さんがハンドリングします。その時は私は最小限のティーチングとフォローに徹します。そして途中で休憩をとり、コーチングをします。生徒さんのハンドリングを自己判断してもらったり、達成感について聞いたり・・・それによって後半のハンドリングがぐっと変わります。これははじめに答えをだしてしまっては変わらないのです。途中まで自分でやってみて、その改善点をみつけるきっかけを伝えなければいけないのです。だって、私は全てできてしまうのですから、当然の話でしかなくなるのです。
また難易度の高い行動を引き出す時はスキルが高ければ初めからコーチングが効果的なことも多いです。スキルの高い人はむしろ遠いところから話をするほうがイメージが作りやすい傾向にありますので、そのリターンが楽しみでもあります。
このように単なるトレーニングでは高められない部分をティーチングとコーチングの組み合わせで行なっています。

マネジメント要素

全てをトレーニングで賄うのは時に難しく、無謀な冒険の旅になる事もあります。
特に深い問題を抱えた関係は、話し合いでは解決しない離婚話に似ています。
そんな時は、人も犬も「管理」が必要です。
むしろその「管理力」が欠如していたから問題が大きくなったとも言えます。
管理は置き換えて言うならルールがある関係です。
管理は決して難しくありません。
だって私達が車を運転する時は必ず管理されています。
シートベルトに交通ルールにおまわりさんに反則切符に、、、
どちらかといえば、社会で生きる上で私たちは子供の頃から様々な管理、つまりマネジメントされているのです。
ところが、こと、犬に限ってはそれができない人がいます。
いわゆる、かわいい動くぬいぐるみのような扱い方をしてしまう・・・
そこには生き物としての尊厳はなく、犬からしてみればいい迷惑・・・
ストレスが限界に達した頃に問題のきっかけは生まれます。
ところが管理のできない人はそれを見落としてしまうのです。
すると犬は利口にもその糸口を利用し始めます。
それを繰り返していくと、犬側の都合の良いルールができてきます。つまりその人が犬に管理されるようになるのです。
それでもそうした人たちは気づきません。
だから犬が悪いといいます。

ルールとは生きるための尊厳を守ることでもあります。
それがなければ世界中で殺戮が繰り返されるでしょう。そうならないのは誰もが尊重し合う心があるからです。
一方的に自分のおもちゃにできる動物など1つもないということを知れば問題はなくなります。
そうしたマネジメント能力をお伝えするのもアウラの手仕事のひとつです。

3つの要素を使うには

では3つの要素を使ったエモーショナルトレーニングはどのようにして行っているか?
アウラのマンツーマンレッスンは、およそ1時間です。
その1時間の中で実際にトレーニング要素は30分ほどです。
残りの時間はお喋りをしたり外に出て違う景色をみたりします。犬達もノーリードで匂いを嗅いだり外に出て走り回ったりします。
つまり集中半分、解放半分がアウラのレッスンの時間です。
グループレッスンでは全員が一度に何かを行うことよりも、一人一人が何かを行うことの方が多くあります。
レクチャーは一人に対して行いますがそれはみんなで共有します。
生徒さんから生徒さんへのアドバイスも頻繁にあります。
それと、グループレッスンには決まったカリキュラムがありません。
ある一定の枠組みはあるものの、当日何をやるかはレッスンが始まるまで誰も知りません。
レッスンは連続性のあるものも、1度でおわるものも様々です。ゆえにドロップイン、ドロップアウトができます。
上級者も初心者もそのスキルレベルの差に関係なく参加します。
それによって、単純な訓練ではなくなります。
これを私は「集中と解放」と言います。