スキャモンの発育曲線

将来を見据えた社会化の重要性

人間の子どもは5歳までに神経系が約80%まで発達します。
その時期にどう遊び、どう運動したかがとても大切です。
なぜ5歳まで?それを示すのがスキャモンの発達発育曲線。人も犬も成長していく中で、一つの事柄でも、吸収しやすい時期、しにくい時期があり、最も吸収しやすい時期に、適切な関わりを持つこと大切です。
スキャモンの発育発達曲線を参照すると、人間の場合は神経系統は生まれてから5歳頃までに80%の成長を遂げ12歳でほぼ100%になります。この時期は、神経系の発達が著しく、さまざまな神経回路が形成されていきます。神経系は一度その経路が出来上がるとなかなか消えません。たとえば、いったん自転車に乗れるようになると何年間も乗らなくても、いつでもスムーズに乗ることが出来ることからもそれが分かります。
この時期に神経回路へ刺激を与え、さまざまな動きを経験させることで、後の大きな成長の下地を作っていくことができるのです。
犬の場合とくに神経系の吸収をしやすい2ヶ月齢から4ヶ月齢に様々な事を経験させることでその後の社会性が大きく変わります。
犬の場合は成長速度(生命サイクル)が人間の7倍と早いため、4ヶ月齢までが人間でいうところの5歳にあたるのです。
勿論、社会化はそれで終わりではありません。
その後6ヶ月齢頃には思春期がやってきて、再び社会化に適した時期がやってきます。
しかしこの時期は神経系だけでなく生殖系成長期にあたるため
接し方や刺激の与え方を間違えると関係がこじれるばかりか、社会との接点が不安定になることもあります。
それゆえにこの思春期がやってくる前に質の高い社会経験を子犬に持たせることが大切なのです。
その後、1歳から2歳頃にゴールデンエイジの時期を迎えます。
この頃には神経系の発達がほぼ完成に近づき「即座の習得」ができるのでゴールデンエイジと言われます。
「即座の習得」とは、新しいことを何度か見ただけで、すぐにその行動を大まかにこなしてしまう力のことです。
しかし、この「即座の習得」はそれ以前の段階でさまざまな経験し、神経回路を形成している場合にしかできません。
フリスビーやアジリティなどのドッグスポーツを行うにも大きな差が出ます。
だからこそ、社会化期は大切なのです。