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犬の吐きたくても吐けない、胃捻転?

日が陰っていてすこし気温も低いけど湿度が高くってテンション上がりにくいですね〜
こんな時は美味しいもの食べたり、ちょっと夢みて楽しみましょう♪
さて、先日、生徒さんの犬が吐きたそうにしているけど吐けずにいるということでレッスンのキャンセルとなりました。
話としては、前日からその様子であり、一方で元気だということ。
そして食べて飲んで排泄もできて、動けて、静かにできているということなので、私的にはまぁ大きな問題はないでしょう。
とお伝えし、ストレスサインの場合もあるので普通に生活し散歩してあげてくださいと伝えました。
加えて、もし獣医に行くのなら午後ではなく午前中に行ってくださいと伝えました。

吐きたくても吐けない理由を知る

犬が吐きたくても吐けない状態というのはとても危険な状態の場合もあります。
それは胃拡張を含む胃捻転です。
胃捻転は、胃がなんらかの原因によってねじれてしまいキャンディーの包み状態となってしまい、上にも下にも出入り口がなくなってしまう状態です。
胃拡張捻転症候群(GVD)とされ、アメリカの犬の死亡原因の上位にあがるほど多いものです。
日本ではあまり聞かないのはなぜかというと、アメリカの犬の多くは大型犬、グレートデン、シェパード、ラブラドール、ゴールデンレトリーバー、グレートピレニーズ、バセットハウンド、ボクサー、ドーベルマン、フラットコーティッドレトリーバー、ウイペット、スタンダードプードルなどですが、これらの犬種に共通するところは、胸板が大きいということ、つまり腹部が大きくて幅が狭いタイプに多く発症すると言われています。
とくにグレートデンは10頭中4頭はGDVになり3分の一は死亡すると言う事です。
アメリカではあまりにGVDが多いため、あらかじめ胃壁を固定する手術があるほどです。
とにかく突然発症し、短時間で死に至るためこうしたタイプは十重分気をつけなくてはなりません。

犬の胃捻転は防げるのか?

残念ながら確実に防ぐことはできないのが現実です。
しかしながら気をつけることはいくらでもできます。
GVDは中年~老齢犬に多く見られます。
その理由は胃を支えている靭帯が緩んできて、胃そのものが体の中で浮いた状態になりやすいからです。
他にも食べた後に過度に動いたり、水のがぶ飲み、早食いが要因とも言われています。
しかしながら、こうした犬だけが胃捻転を発症するわけではなく、科学的になエビデンスにはなっていません。
アウラの生徒さんの犬も胃捻転で若くしてなくなった子がいます。
この子の場合、朝、とくに激しく動いたわけでも早食いしていたわけでもなく、突如発症しました。

犬の胃捻転は遺伝的な影響か?どんな犬がなりやすいのか?

じつのところこれもまだはっきりとした根拠が科学的に証明されていません。
ただ、なりやすいタイプの犬種があることや、行動がよく似ていることから、自分の犬がなりやすいかどうかはある程度察しがつくはずです。
以下の行動があり、胸板が深く細い犬の飼い主さんはそうしたリスクがあるのだと理解して生活すべきだと思います。

  • 中高年期の大型犬や胸板の深く細いタイプ
  • 若くても活発で興奮しやすい性格で早食い、水のガブ飲み(特に運動前と後に)
  • ドッグフードの大量摂取(食事回数が1回で賄われるなど)
  • 高い台での食事(器は床に置いて食べさせるべきです)
  • 高脂肪食、発酵食品の大量摂取(胃の中にガスが溜まりやすく、滞留しやすい)
  • 血統の中に胃捻転の子がいる場合

犬の胃捻転の予防方法

完全なる予防は無理ではあるものの、上記のようなことに気をつける意識を飼い主さんが持つことが大事です。
含めて食事内容や運動内容、時間の使い方、ストレス背景なども考慮するとリスクは大きく軽減されるでしょう。
とくに落ち着きのないタイプの子はしっかりトレーニングをして、ドッグコントロールできることや、その子自身が感情のコントロールができるようにしていくことが大切です。

犬の胃捻転かどうかを見分ける

単純に吐きたくても吐けなさそうにしているから、これは胃捻転だ!と急いで病院に駆け込むのも好ましくないし、多分大丈夫と気楽にいるのも好ましくありません。
やはり犬の様子をしっかり洞察することが大切です。
犬の胃捻転に限らず、本当に大きな問題を抱えている場合は必ず随伴する行動や症状があります。

犬の胃捻転の場合は、以下の症状のいずれかが随伴します。

  • 上にも下にも出せないので、その状態に不安となりそわそわする。
  • 胃が塞がっているため食べたり飲んだりできません。
    (食べないからと無理やり食べさせるのは危険ですので絶対にやめてください)
  • 頻繁にゲップをしたり固形物のない水溶性、泡状態の吐出物がある。
  • 呼吸が安定しない。
  • 心拍数が上がる。
  • お腹が痛そうに丸まったり震えたりする。
  • お腹が張り出し始める。
    (胃は左側に寄っているので左側が腫れ出しますが太っている犬は分かりにくいです)
  • 歯茎が白くなる

これらの様子がいくつかあるならば、夜間であろうと緊急で駆け込むべきです。
朝になってからなんていっていたら数時間でなくなってしまう可能性があります。
随伴性がないならばまずは様子を見ましょう。
アウラの生徒さんの場合はまず私にお電話かメールをください。
事実、そうして助かった子や破格の夜間診療代金を免れた生徒さんはたくさんいらっしゃいます。

アメリカの犬の胃捻転についての文献をリンクしておきます。https://paperzz.com/doc/6068916/アメリカでは犬の死因として癌に次いで、胃捻転・鼓腸症「正式な-病名、胃

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