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エモーショナルなレッスン

雨ですねぇ
怒涛の週末レッスンが終わり、今日は手作り食セミナーの資料作りな一日。ウノくん散歩なしで暇です。
そんなウノくん、昨日はニベアクリームと塩バターパンを盗み食いしてティッシュで遊んで下痢ぴー・・・なのでスープのみの絶食です。ばぁ〜かっ‼︎
まぁ、ほとんどいたずららしいいたずらをしなかったウノなので、こんないたずらが嬉しい私でもありますが。
私が忙しいから相手にしていないのと、体が大きくなっていろんなところに手が届くようになったのとでそんないたずらが増えただけなのですが、そこがなんともかわいくて仕方がありません。
さて、昨日はグループレッスンでは「エモーショナルトレーニング」の根っこのようなレッスン、レクチャーを行いました。
細かなことは文章では伝わらないので書けませんが、要約すると、犬という動物は感情や本能によって行動することの多い動物です。一方で人間は記憶をたどったり考えたりして行動することの多い動物です。
このすれ違いを少なくするために様々な理論やメソッド、ツールが世の中にはあります。クリッカーもチョークチェーンも方法や考え方はまったく異なりますが、その部分でみれば同じ出どころです。
何を使うかはその人となりで良いのだと思います。どちらもわかりやすいし簡単です。
しかし、それによって成せる人と犬との関わりは、Aの犬、Bの犬、Cの犬に同じハンドラーが同じ方法で教えたとしても同じ結果は出ません。
なぜならば犬の性能は全て違うので、向き合う人間の感情がまったく異なってしまうからです。
たとえばAの犬はとても機敏で意欲的、一方でBの犬はゆっくりとして飲み込みが遅い。Cの犬は気まぐれで集中力が続かない。
そうするとハンドラーは同じ手段で3頭を導いてもそのハンドラーの気持ちが乗る犬とそうでない犬、楽しくできる犬とそうでない犬というふうに意識の中でも無意識の中でも比較して付き合い方が変わってしまうからです。
そうなるとどんなに理論的な方法を用いても結果は火を見るより明らか。当然ながら気持ちの乗りやすいタイプの犬のほうが結果を導きやすいし、目的をはやく達成できる。
もちろん、ハンドラーが感情や行動のセルフコントロールができて、正しく的確に3頭のスタンスに沿って伝えることができれば同様の結果に導けますが、残念ながらそういう人は少ないのが現実です。
そこで私はモチベーショナルトレーニングを側面から崩してみて、エモーショナルトレーニングというものを確立しました。
私独自のものなので整合性があるかどうかわかりませんし、正しいのかまちがっているのかもわかりません。
けれども少なくともどんな犬でもちゃんと結果に導けるし、どんなハンドラーでもそれを長く楽しめる。そして関わりを深めることができる。そう強く感じます。
そもそもが人も感情はあるわけですが、社会生活を長くおくっていると、感情を表に出さないことを無意識のうちに強いられてしまいます。(すべての人がではありません)
すると感情で会話しようとする犬と感情を抑えて対話しようとする人間の間に大きな溝ができます。
モチベーショナルトレーニングは報酬をベースにしていますのでその手助けにはなりますが、トリーツは感情までは表してくれません。クリッカーはよりそれを整理したものです。
それらはたしかに端的で最短である一定のところまでの目的を達成することはできますが、多くの方が同じところで詰まってしまいます。
トリーツがないとできない・・・・クリッカーが手放せない・・・・
しかしもしも自分の感情をコントロールして犬の感情と対話できたとしたらどうでしょうか?
感情は自分の中にあるものです。トリーツやクリッカーは道具であり外部のものです・・・・感情は手放す必要はないし、どこにでも持ち歩けます・・・どこででもオープンにすることができます。(できない人もいますが)
あとはどの感情を中心にして犬と対話するかです・・・・喜怒哀楽・・・・すべて使っていいけれど真ん中にすえるのはどれなのか。

犬にとって飼い主さんがお金持ちかどうか、高級ブランドの服を着ているかどうか、高級車に乗っているかどうか、一等地にすんでいるか、家族構成がどうか、容姿がどうかなんて、まったく関係ありません。
私なんてきたないおっさんですが、犬たちは私のことを愛してくれますし、喜んで私と一緒に何かをしてくれます。
特別なトリーツなんて持っていないし、いつも同じものです。
もしも犬が社会的な背景に問題を持っていたとしても私にはそれは問題ではありません。ゆっくりと感情で紐解いていけばいいだけです。
もしも身体的に問題をもっていたとしても私にはそれは問題ではありません。同じくゆっくりと感情で紐解いていけばいいだけです。
こんなふうに犬と接していると接している犬も同じ感情をもつようになります。
ビンゴもウノもティーチングドッグです。
先日、障害者の方達が10数名引率者の方と歩いていました。
言葉や身体の動きがすこし異なるので犬からすれば警戒しがちな対象です。とくに集団で行動していると中には吠えて威嚇したり追っ払おうとする犬もいるのでほとんどの飼い主さんは近づけようとはしません。
私はウノを近づけます。もちろん相手が近づいてくれる時だけです。
その時も先頭を歩いていた一人の方がウノに近づいてきました。
私はリードをゆるめてその人に近づけました。
その方は言葉が「うぅ、うぅ、あぁあぁ」での発声でしたが明らかにウノに好意をもっていることが伝わってきます。
そうするとウノはやさしくその人の足元に行ってその人の手に触れるのです。その瞬間、その方の顔が一気に明るくなります。
あとに続いていた何人かの人もそうしてウノと触れ合います。みんな笑顔です。引率の方が口々に「ありがとうございます」と言います。
いえいえ、お礼をいわれるようなことは何ひとつしていません。普通の会話のひとつです。
ただ、ウノは相手の感情がわかるのでそうやって寄りそえるだけなのです。(すべてではありません)
一方で、ウノに対してウエルカムな人には容赦なく飛びついていき、顔をなめ、ウレションをして、じぶんの嬉しいという感情をマックスに表します。
相手がそれで嬉しがるとさらにエスカレートするし、戸惑っている人がいるとそういう人にもちょっかいを出します。たまにハズレもあります。(すべてではありません)
まぁ、体の大きさがいまいちわかっていないところがあるので気をつけないといけない時もあるのですが、とにかくウノは私同様に感情をコントロールしつつボリュームいっぱい表すことができる子に育ちました。
これもエモーショナルトレーニングの成せる業と思っています。だってうちに来た時のウノはぼやっとしていて何考えてるんだか不思議ちゃんでしたからね・・・今でも不思議ちゃんですが。
アウラっこはみんなこんな感じに育っているので、見方によってはお利口でない風にも見えます。犬らしく振る舞い、人の感情に寄り添うし、人も犬の感情に寄り添うので、ちょっとおかしな風景がレッスンの中にあったりもします。

私は、全てのレッスンが終わった後、ウノと少し稽古をしたり遊んだりします。
ウノはいろんな犬とのセッションやデモをしているから疲れているはずなのに、その時間をなによりも待ち望んでいます。
私も疲れてはいるもののやはりその時間が大好きです。
わずか15分であったとしても、その時のウノは生き生きとし集中し楽しんでいます。(本当に疲れすぎてそうでない時もあります)
そしてそれができた時、私はレッスン場の床に寝転びながらウノと喜びを共有します。このエモーショナルな瞬間のために今日があったと思えるくらいです。

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