1. HOME
  2. ブログ
  3. ワクチンと社会化の関係

ワクチンと社会化の関係

ワクチンの弊害?

さむいですねぇ〜
日差しはあるものの、耳がいたくなるくらい寒いです。
でも東北のほうはこんなもんじゃないですからねぇ〜
で、稀勢の里、優勝おめでとうございます。
日本人横綱誕生というよりも、日本人らしさをもった横綱の活躍が楽しみです。ってこのコラムとは関係ないですね〜

さて、子犬の社会化とワクチンについての話をひとつ♪
日本でよく聞く話のひとつがワクチン神話です。
ワクチンを3回接種するまで外に出すな!
それまでは室内で育て、その間は犬を飼っている人を自宅へ入れないように、という様な事をペットショップの店員や一部のブリーダーは言います。
そうですね、ブリーダーさんやペットショップの店員はそれぞれの環境や価値観と知識、経験で判断されますので、間違いではないと思います。ブリーダーさんの環境ならそれでいいのだと思います。
しかしもっと広い視野で世界をみるとそれは異なっていることがわかります。

まず、ワクチンはコアワクチンとノンコアワクチンにわかれますが、5種の中に含まれるのがコアワクチンです。
これはウィルス系に対するもので、感染すると重篤な状態になることもあるので必須ワクチンです。
それ以外に細菌性の感染に関わるのがノンコアでして、主に野ネズミの糞や尿に含まれるものが媒介します。
これらをあわせて、5種〜9種ほどあります。
一般的な社会生活をおくっている環境であれば5種で十分ですし、ノンコアのワクチンは製造方法の違いからわずか3ヶ月ほどしか効果を発揮しません。また冬場は野ネズミはほとんど見る事がありませんので無意味です。

1回のワクチンでおよそ90%の子犬に抗体がつきますが、10%ほどにローレスポンスの子犬がいます。この子達は母体が不健康であったり弱かったりすると出てきますが、その子達を救済するために2回目、3回目と接種します。これによってほぼ100%の犬に抗体をつけられますし、1回目で抗体がついた子はより強固な抗体をつけることができます。一方ではワクチンに対する副反応というリスクも増えます。
また、中には何度接種してもノーレスポンスの子犬もいます。

それから母乳を飲んでいる間は母犬からの移行抗体があるので
このようなことから先進国では1回目のワクチン前から外に出す習慣があります。
これは人間の文化との兼ね合いもあります。
例えば、英国のキャサリン妃が出産の当日あかちゃんを連れて外に出たり、インフルエンザが流行っていてもマスクをしなかったり、タミフルなどの薬もほとんど使用しないのですが、日本では出産からしばらくしないと母子ともに外出はできませんし、タミフルの大半は日本で使用されている。マスクは必須です。
勿論、それによる恩恵はあるのですが、こと、犬に関しては残念ながらそうではありません。
そのため日本では犬嫌いの犬が沢山います。とくに小型犬は外に出さないので通り過ぎるだけで吠え付かれたり、しりごみして逃げていきます。
最悪は飼い主さんにだっこされています。

また、ウィルスというのはどこにでも存在します。
たとえば外出先で上着や靴に付着したウィルスは条件次第では帰宅後、何時間も生存しています。
新型インフルエンザで私たち日本人も知識を得たはずなのですが、残念ながらいかされていません。
ですのでもしブリーダーさんのいうような予防をしようとおもったら人も外出しないとか、帰宅したら玄関前でしっかり殺菌する必要があります。
そもそもがブリーダーさん宅では人や犬の出入りが頻繁に行われているはずなのに、譲渡後だけそうすることにどんな意味があるのかよくわかりませんよね。
もちろん、ブリーダーさんからすればどんな環境で育てられるのかという心配がありますから彼らの保険としての必要性はありますが・・・

ネットで調べるとワクチンを3回接種するまではだっこして外に連れ出したということが書かれていますが、それではほとんど社会性は身に付きません。
いろんな音をCDで聞かせたり、部屋の中にいろんなものを用意して触れさせたり歩かせたりするということも聞きますが、これもほとんど意味を持ちません。社会化は現場生産なのです。
私たちがハウツービデオをみてスキーをおぼえても滑れないけど、とりあえずスキー場にいって滑ってみたらなんとなく感覚がわかるというのと同じです。

ただ、まったくリスクがないかというとそうではありません。
とくにウィルスが活発なこの時期は注意も必要です。不潔な場所に連れていかないとか、どうみてもちゃんと管理されていないような犬とは接触しないとかは必要ですし、外出後はブラッシングやしぼったタオルで身体を拭く等は必要です。
そうしたことにならすのも社会化です。
4ヶ月齢になるまでにすこしづつ毎日いろんなところに連れていってください。
たとえば表参道、アウトレット、駅、ビルの中、老若男女、様々な犬種・・・・将来その子が飼い主さんと出かけるであろうと思われるところに出来る限り出かけ、様々な刺激と直に触れ、見聞きします。
すべては、微笑みと犬のいる幸せをともにするためです。
獣医もペットショップのおねえさんも、あなたの犬と過ごす訳ではないですからね♪

関連記事