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犬の換毛について

昨日のお休み、ウノの歯医者に行ったのち、いつものフィールドでトレーニングとディスクをしてきました。
土手道を歩いていると、犬の毛が大量に落ちています。
はい、どこかの飼い主さんがこの場所でブラッシングしてそのまま捨てていった毛です。
ミックスか、ゴールデンあたりの犬のイエローの毛です。
この毛、実はこのあたりでよく見かけますので同じ飼い主の愚行と思われます。

まぁ、一般的にはマナー違反ですし、稚拙な行為なのでその人の社会性や人間性に問題があるのでしょう・・・・犬には何の問題もなくてもどうにもなりません。

犬の換毛と温暖化対策

さて、日本の季節性、四季折々という言葉が適しない日が多くありますね・・・・環境破壊、温暖化の影響といわれます。
暑さは刺すようなひりひりとした暑さですし、寒さは凍り付くような寒さです。
ハリケーンも台風も過去にない規模ですし、自然発火による森林火災の範囲はこの数年で拡大の一途です。
野生動物たちは住む場所を奪われ、植物は生息場所を失い、近い将来の食糧危機は免れないとも言われます。

そんな中でも犬達は原始的な換毛というシステムを使いながら暑さ寒さに対応しているのですが、どうもそれが追いついていないような気がします。
ご存知の通り犬の体を覆っている毛は2種類あり役割も違います。
ひとつは皮膚の保護をする長くて太い「上毛」で、もうひとつは、保温の役割をもつ短くて柔らかい「下毛」です。
犬には換毛期が年に2回ありますが、その際に気温にあわせて体温調整するために下毛が大量に抜けます。
ところが犬種によっては1種類だけ、つまり下毛の無い犬種もいます。
2種類の毛をもつものをダブルコートといい、レトリバー種・牧羊犬・柴犬・ポメラニアンなどが代表的な犬種です。
シングルコートはプードル、シーズー、マルチーズ、パピヨン、ヨークシャーテリアなどがそうです。
ダブルコートの犬のアンダーコートは春と秋に大量に毛が生え替わります。春は密度が少なくなって涼しく過ごせるようになり、秋には新しいアンダーコートが生えて冬場の寒さに耐えられるようになります。
ところがシングルコートの犬はその機能が備わっていないため寒さに弱い子が多いです。
また、小型になればなるほど、外気温と心臓との距離が近くなるため、弱いと言われます。

熱伝導による体温の低下

とくに都市生活でアスファルトを歩く犬たちは足元からその温度を拾ってしまうため、気温はそんなに低くなくても震えてしまうという子も多く見られますね。
それで膝の上からおりないという話はよく聞きます。
これは、空気中の気温ではなく、地面から直接伝わってくる伝導温度を拾うからです。
一方で風が強く、空気の対流が激しいと、実際の気温よりも体感温度は低く感じますね。
ダブルコートの子はこれをほとんど感じませんが、シングルの子はこうした対流にも弱いと言えます。

子犬の体温対策

犬だから洋服はいらないというのは本質的なところでは正しいと思いますが、ファッションとしてではなくこうしたシングルコートの犬には真冬時はなにかしら着せてあげたほうがいいのかもしれませんね。
それと歩く場所もアスファルトではなく草むらなどのほうが地熱があるのではるかに暖かです。
風の強い日は避けるなどちょっとした心がけで犬を寒がり体質にしないですみます。
一度寒がり体質にしてしまうと、犬は経験から行動するので、どんどん寒がり体質になっていきますのできをつけましょう。

子犬の体温対策

産まれたばかりの子犬はまだ自分で体温調整ができないため、みんなくっついて動かず丸まっています。
小さな体を重ね合うことで体温の喪失を防いでいるのです。
また母犬のお腹の下に潜り込んでいることも多くあります。
この場合は外気温が高くても低くても同様の行動をとります。
私たちや犬たち哺乳類の多くは体温が下がるということは血液が冷やさるということを示します。
血液は当然様々な所に送られており、脳にも送られています。
その脳にある温度センサーが冷たくなった血液を温める司令を出して体から熱を発することができます。これを「産熱」といいますが、その機能はやはり子犬の頃からある程度暖かい寒いの体験をくりかえさないと正しく機能しません。
母犬から離れ、自立して歩きまわるようになり、みなさんのところに来る頃には体温調整もできるようになっていますので
あまり過保護にならず産熱機能を育むことも大切なのです。
とはいえ室温が5度とかとても低い場合は室温を上げることは大切です・・・というか人間が寒くていられませんね。

また日の当たる場所にいると毛の中に暖かさを蓄えることができるので、日のある時間に散歩すれば子犬はそれほど寒がらないものです。

社会化をたんに寒がるからできない・・・めそれで将来の代謝機能や脳のセンサー機能を正しく育めないとすればちょっと残念ですね。

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