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生まれか育ちか?

雨ですねぇ、台風の影響でしょうか?
しっかり雨具持参ですね〜
さて、今日はグループレッスンでもお話しした遺伝子についてこちらでも少しだけ共有します。
犬の交配が不確実な日本の場合、どうしても遺伝疾患が多くなりがちです。
そのことに触れ出すと話がとめどもなく続いてしまいますのでその件についてはまた今度。
今日お話しするのは
「生まれか育ちか?」
つまり遺伝的な何かが子供にどれくらい影響しているのか、あるいは育った環境がどれくらい影響を与えているのかということです。
ズバリ答えから申し上げます。
遺伝的なものが約半分、その後の育ち方が半分です。
もちろん全ての犬がそうではなく、統計的な範囲ですが、概ねそう考えてよいでしょう。
ただし犬の場合400種類以上もの犬種があり、物理的にも統計学的にも調査が難しく人間のように研究が進んでいるわけではありません。
あくまでも一般的な見解としてお読みください。
遺伝子が与える影響は様々ですが、とくに大きさや見た目、声や色は8割以上が遺伝によります。
つまり大きな親犬から産まれた子はやはり大きくなるわけです。
えっ、でもうちの子は小さいんですけど・・・・
はい、そうですね、親といってもお母さんとお父さんがいるわけですので、その遺伝子をランダムにそれぞれ引き継いでいますから、母犬が小さければ小さくなる場合もありますし、兄弟が3頭だとすればそれぞれ違っているのも当然です。その確率は無限大ですのでどんなに優秀なブリーダーであってもそれを決めつけて出産させることはできません。
あくまでも経験や感覚的なものでしかないのです。
そりゃあそうですよね、もしそんなことを計画的にできたら人間の世界は大きく変わっているでしょうからね〜
また犬には毛色がたくさんありますね。
同じ種類の犬の被毛の色が兄弟によって違うのは15番染色体のある領域にある遺伝子のコピー数であるとカリフォルニア大学デイビス校獣医学部の遺伝学者によって特定されました。
つまり色については全て遺伝的に決まっているということです。
もっとも染色体は様々な影響を及ぼしますので、単に毛色が変わるだけではなく、その毛色によっては遺伝疾患がくついてくることも裏付けられています。
そのため掛け合わせてはいけない毛色というものがあるわけです。
しかもそれは不確実でありだれも予想できないのです。
ですからシリアスなブリーダーは可能な限り不確実な色の組み合わせは行わないわけです。
では大きさ以外はどうなのか?
人間の性格を示す理論でも最も知られている理論のビッグ・ファイブセオリーで遺伝子の影響を調べるととても興味深いことがわかってきます。
簡単に言いますと、性格を5つの系統「外向性」「調和性」「誠実性」「神経症的傾向」「経験への開放性」に大別します。
それぞれに遺伝子と後天的要因が与える影響度が異なります。
5つの系統においてほぼ半分くらいが遺伝子によって決まります。あとの半分は後天的な要因によって決まりますが、ここからがとても興味深いのです。
これは人間の場合ですが、親が与える影響はどれくらいあるのか?
なんと10パーセント未満です・・・・えっ、えっ、えっってなりますよね。
でもそれが事実なのです。
例えば外向性における親の影響はなんと2パーセント、調和性においてはたった1パーセントでしかないのです。
つまり親が一生懸命に自分に似ないように外向性や調和性を身につけさせようとしても変えることはほぼ不可能ということなのです。
じゃあ後天的に何が影響を与えるのでしょうか・・・・・
それは「友達」なのです。
友達が与える影響は遺伝子に匹敵するかそれ以上に大きいのです。
調和性においてはなんと6割もの影響力を持っているのです。
したがって自分の周りにより「外向性」「調和性」「誠実性」の高い友達がいれば親や遺伝子がそれらが低くても、まったく異なる性格や行動を持つことができるということなのです。
で、これを犬におきかえてみましょう
あなたはあなたの犬の親でしょうか?
世の中では〇〇ちゃんのママとかパパとかいう言葉が普通に使われていますが、事実ではありませんね。
そうです私もあなたも犬の親ではありません。
つまり遺伝的な影響を持ち得ていないし、親として与える影響も皆無です。
しかしながら犬は飼い主に似るといいますね。
はいそうなんです、お気づきの方もいらっしゃるとおもいますが、犬からすると飼い主は友達にあたるのです。
ですから半分くらいは飼い主さんの影響によって行動や性格が変わるわけです。
当然ご家族の中でもっとも付き合いの多い方によって影響をうけます。
飼い主さんが外向性が高ければ元々の遺伝子では低くあっても高くすることができます。
ところが逆に遺伝的には外向性が高くても飼い主さんがひこみ気味だったりご年配であまり社会との接点がなければその犬の外向性は低くなっていきます。
そしてそれらは「社会化期」にもっとも影響をうけるのが犬なのです。
この時期にどれだけ飼い主さんが犬にたくさんのよい経験を与えるかによって性格や行動が形成されていきます。
あれっ、うちの子すごく元気で外向性がある子だなぁと思っていたのに4ヶ月すぎたらなんだか怖がりで外向性が低いなぁ・・・・
それは飼い主さんの影響であることは半分間違い無いということです。
もちろんあまりに高すぎるのはセルフコントロールができないわけですから、やはり適切な接点をあたえる自分や友達であるべきですね。
とくに犬の一時保管所などではそこが大きな欠点といえるかもしれません。
やたらと犬が好きすぎて興奮がおさまらない・・・・その逆もありますね。これではなんとも正しく社会化できたとは言えません。
ちなみに我が家のウノの場合「外向性」「調和性」「誠実性」「神経症的傾向」「経験への開放性」における私や友達犬、とりまく社会環境が与えた影響は極めて大きいといえます。
親の影響である大きさや仕草、あるいは毛色や声などはほぼ遺伝子ですが、親犬とはまったく異なる個体であることは間違いありません。
だからこそ犬育てはおもしろいともいえるし難しいともいえますね。
昔からこういうことわざがあります。
蛙の子は蛙」英語では“like father, like son”ですね。
一方で
とんびが鷹を産む
ということわざが示すように、鷹がとんびを育てればとんびは鷹のごとく育つということです。
ただしそれを受け入れられる時期はとてもはやくて短いということですね。
この次は遺伝子がおよぼす病気のリスクについてお話ししたいと思います。

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