第三回JKCドッグダンス競技大会その1
ドッグダンスは犬との関わり
フィンランド大会から帰国して、自分ではどうにもならないルール上のミスからドッグダンスに対するモチベーションが低いまま1ヶ月が過ぎて、自分なりにどうすれば良いのか考え続けていました。
確かに実力以外のところでつまづいた事はどうにもならないが、ウノには全く関係のない事。
落ち込んでいる姿や意欲のない状況でウノと向き合う事は頑張ってきたウノの努力や自分との関わりを否定することになる、、、
私達の関係はそんなものではない
それを証明するべきだという結論に至りました。
その為にまず一つは正しいルールをJKCに提示してもらいフィンランドと同じ演技を行う事
その結果としてどんな評価になろうともそれが自分達なんだという事
その為、フリースタイルの練習は一切せず、フィンランドのままに演技をする事にしました。
3ヶ月間何もせずに出るなんて前代未聞ですが結果が欲しい訳ではないのでそう決めました。
そしてもう一つのモチベーションは英国クラフツの参加資格を得ることができるなら取りたい、、、
前回大会で資格を得たにもかかわらず時差及び11ヶ国の壁(クラフツは11ヶ国のみ受理されるが日本はもれてしまった)に阻まれた為モヤモヤが残っていました。
こう見るとどうも自分達の実力以外のところでつまづいている事が多いですね、、、
それともう一つ、ウノと新しいチャレンジをする事
これはHTM(ヒールワークツーミュージック)に出る事です。
ウノとは5歳からドッグダンス競技に参加していますが全てフリースタイル部門です。
HTMはやった事がないので新鮮な気持ちで練習ができます。

言うは易し
実際にHTMの練習を初めてみると、ありとあらゆるところが足りていない事に気がつきました。
訓練競技はパピーの頃から取り組んできたので左ポジションは概ね問題ありません。
しかしながら、HTMは10のポジションと4つの方向と3つのスピードを持って構成されます。また、ポジションチェンジの正確さや速さも必要です。
遊び程度にはやってはきましたがちゃんとやると難易度が高いし奥深いところがたくさんあって上手くいかないのでとても楽しい!
一方でウノは脳の働きがパピーの頃から応用性をつけれるようにやってきたのでポジション作り自体はとても簡単にできます。
しかしながらそれを精度を上げるのが難しい、、、
正直言ってHTMのルールすら知らないので練習する方向性や構成がわからない、、、そんな状況にも関わらず、日本のHTMに風を吹かせたいと思っている、、、ほんと全く根拠のない自信に笑ってしまう。
頼れる仲間
ある程度できてきたところでトレーナー仲間にSOS!
やはり間違った方向に練習して作品作ったところでどうにもならないので練習の道筋を見てもらいアドバイスをもらった。
それで一気に進み始めた!
そしてますます楽しくなってきた!
もちろんウノは何やっても楽しくやっているけど、気を抜くとアドリブ始めるし遠隔になろうとする、、、つまりフリースタイルの癖が出てしまう。残念ながらHTMは遠隔はダメだしアドリブはいらない、、、
時間との勝負?
ようやくなんとか全体像が見えてきたのはドッグダンス競技大会の2週間前、、、
そもそもが始めたのが1ヶ月半前ですから僅か2ヶ月足らずで完成させる事自体がおかしい、、、、しかも根拠のないアドバンスドクラス
どう見てもおかしい
さすがに焦りが出ていつもならウノに負担をかけないのに、つい負担をかけてしまう、そうするとウノは楽しくないので途端にテンションが落ちて私から距離をとってしまう。
時間との勝負ではなく自分のメンタルとの勝負!
そこから1週間は練習をせずに楽しく過ごしてお互いの気持ちをリセットする。
それからが本当に時間との勝負!
一気に完成させていきます。
ドッグダンスの練習は短く
私達のトレーニングはいつもとても短く終わります。
内容にもよりますが5分から15分くらいが普通です。
長くても30分ほどで、これ以上になる場合には途中に休憩を挟みます。それを一日に1~3回行います。このリズムは今回も同じです。
ドッグダンス自体は4分以内なのでそれで十分です。
ドッグダンスの音楽選び
私の場合には何をやりたいか、何を表現したいか、何が楽しくできるかが前提で中身が浮かんできます。
それに後付けで音楽がついてきます。
つまり一般的な、この曲で踊りたいとか、この衣装で踊りたいというのはありません。
今回はHTMに風吹かせたいという事で、圧倒的なパワーを持っているクィーンの曲、そしてウノに対する想い、そこにはアールやビンゴ達への想いもある。
そうなると曲は
“I was born to love you“一択になります。
ただ、この曲でフレディの真似をしてもどうにもならないし、滑稽すぎる
やはり自分らしい曲の解釈が必要、なので衣装もフレディとは全く異なるものを選びました。
あとは自分の表現力、、、何度も何度も鏡見ながら少しでも見せれるように練習します。
ドッグダンスの魅力
私はドッグダンスだけをやっている訳ではありません。
むしろそれ以外のことの方が多いです。
犬との生活は人それぞれですし、ドッグダンスができないと犬との生活ができない訳じゃないです。関係作りにもドッグダンスがなくても大丈夫です。
ではなぜドッグダンスをやっているか?
私の場合には単に楽しいから、それに尽きます。
ウノは何をやっても楽しんでくれます。その笑顔こそが一番大切にすべきことだと思いますし、その姿をドッグダンスを通してみなさんにお見せしたい、、、できれば世界の人達に
いよいよドッグダンス競技大会本番
今回は土曜日にフリースタイル、日曜日にHTMと両日に渡ってエントリーしているので会場であるドッグリゾートワフに宿泊しました。
フリースタイルについては予定通り何も練習せずに当日を迎え
HTMは未完成のまま当日となりました。
フリースタイルのエントリーリストをみるとすごい人達がぎっしりです。私達はアドバンスドクラスの1番バッター
基本的に1番バッターは基準点になりますのであまり高得点は期待できません。事実1番の人が1番になることはほとんどありません。
ジャッジとの相性
国際大会の場合にはメインジャッジの他に2名のジャッジの3名の平均点が採用されます。
しかしながら国内大会ですと大抵は1名となります。
今回はドイツ人のバーバラさんが一人で全てのジャッジを行います。
私も長らくジャッジをしてきましたが本当に大変な仕事です。
そのバーバラさんは競技開始前に「競技の内容だけでなく、入退場や小道具の搬出搬入についてもジャッジの対象になります」とアナウンスされました。
これが何を示すのか?考え方、捉え方は様々ですが、FCIはアニマルウェルフェア、動物愛護の観点が極めて強く、その根底には人と犬のリレーションシップ、信頼関係があることをルール上でも謳っている。またルールは厳格であり、違反するとペナルティになり、場合によっては失格になります。
小道具の搬入搬出に関しても同様です。
私はこの部分でフィンランドでペナルティを受けました。
もちろんそれは日本チームの誰一人として正しいルールを知らなかったことが原因ですが、今回はその部分を明確にして国際ルールと同じにしてもらいました。
長くなってしまったので続きは後ほど